顎関節症について

何か疾患がある訳でもなく、口を開閉したり咀嚼したりする際に顎周りの筋肉の痛みや違和感がある、顎関節のクリック音や雑音がする、痛みがある、口を開けにくい(開口障害)などの症状があることを言います。

患者さんによっては耳の痛みや、めまいなどを訴える方もいらっしゃいます。
男女比では1：3程の割合で女性に比較的多く見られる疾患です。

① 口を大きく開けた時に人差し指から薬指までの3本を縦にして入るか。

② 口を大きく開けた時にまっすぐに開いているか。

③ 硬い物を食べた際に顎に痛みがあるか。

④ 口を大きく開閉した際に「カクッ」と音がなる、または痛みがある。

・噛み合わせが悪い、歯ぎしりの癖、咀嚼の際に片方で噛んでしまう癖、頬杖をつく癖などから顎に負担をかける生活をしている事。

・脊柱や骨盤のアンバランス。特に頸椎の動きや整列が悪くなることで顎に負担がかかっている事。

・咀嚼筋や首周りの筋、腱などの軟部組織の問題(トリガーポイントの問題など)

・ストレスや睡眠不足。

などの要因が考えられます。
特に最近では筋肉や腱などの組織の問題が大きいのではないかと言われています。

昔は主にマウスピースなどを使用して、歯ぎしりの防止や顎の位置を変化させる、親知らずの抜歯、歯科矯正により噛み合わせを調整する事が主だったようですが、

現在はなるべく侵害性がないものが推奨される傾向があり、

顎まわりのマッサージや首周りのストレッチの指導、痛みのある患部のアイシング指導、固い食べ物を避ける指導など、セルフケアを中心に行うようです。

症状が強い場合は歯科医院などでも顎まわりの筋肉のマッサージなどが行われる事もあります。

まずは脊柱や骨盤の整列と動きを改善し顎に負荷のかからない様にします。

次に首や頭部、顎周りの筋肉や筋膜などの軟部組織の状態、顎関節の位置や動きを整えます。

鍼灸治療によるストレスの緩和や頭部、顎周りの筋肉の緊張の緩和も効果的ですので、状態に合わせて行っていきます。