成長期の運動について

生まれてから20歳程までを成長期と言い、成長し続けます。

これは単純に身体が大きくなるなどの変化だけではなく、神経や内臓などの機能が上がる、などの内部の変化も起こります。このような成長には順序があり、それをしるしたものがスキャモンの発育曲線と言います。

スキャモンの発育曲線は20歳を100とした時に各体の構造、機能を4つの型に分け、それがどのように発達していくかを示しています。

一般型 
一般型は身長、体重などの構造的な発育と内臓の発育をあらわした曲線です。生後間もなくから幼児期までに急激に上昇し、一度落ち着きます。思春期になると再び急激に上昇します。
 

神経系型 
神経系型は脳や脊髄の発育や体と脳のやり取りの速さ、正確さなどの発育を表しています。神経系は生後すぐの頃から急激に上昇し12歳ころにはほとんど100に近い所まで達するとされていて、そこから緩やかな曲線となり20歳に100に達します。

リンパ系型
リンパ系型はリンパ系の組織の発育、免疫系を表わしています。
リンパ系型も神経系型と同じように生後から12歳頃までに急激に上昇していきます。この型は例外的に8歳ころに100に達しさらにそこから100を超えて12歳ころには180くらいまで上がります。その後20歳を迎えるまでに下降していきます。

生殖器型
生殖器型は男子では精嚢や陰茎、女子では卵巣や子宮などの発育を表わしています。この型は14歳ごろから急激に上昇していきます。これらの4つの型のそれぞれ上昇するタイミングで適切な運動を行えると成長期に能力が伸びやすいです。
 

このスキャモンの発育曲線の9～12歳ごろの神経系がほぼ完成に近づいた時期をゴールデンエイジと言います。さらにこの前後の時期をプレゴールデンエイジ、ポストゴールデンエイジと言います。

プレゴールデンエイジ

7～9歳ごろの時期をプレゴールデンエイジと言います。体を動かすことによって今までよりも高度な神経回路を形成する時期です。この時期は一つのスポーツに固執するだけでなく、体を動かす楽しさを知り、遊びながら体を動かすと良いと思います。例えば昔からある鬼ごっことかやドッチボールなど多面的な運動を中心に行うのがおすすめです。

ゴールデンエイジ
ゴールデンエイジでは神経系がほぼ完成していると上記しました。
そのため運動やスポーツでは動きの習得に力を注ぐ事が重要になります。
例えば野球などでいえば投球フォーム、バッティングフォームなどの競技の基本的な動作を反復して覚える事が重要な時期です。

ポストゴールデンエイジ
13歳以降をポストゴールデンエイジと言います。
この頃になってくると筋肉や骨格が成長してきます。そのため今までの体の感覚が変わり、今までできたことができなくなったり、ケガをしやすくなる時期でもあります。
この時期の練習やトレーニングは今まで身につけてきたものを再確認しながら自分の体に再認識させることが重要になります。

まとめ 

・プレゴールデンエイジ(7～9歳)では鬼ごっこやドッチボールなどの様な遊びながら体を動かすことが重要。

・ゴールデンエイジ(9～12歳)では運動やスポーツの基礎を行う事が重要

・ポストゴールデンエイジ(13歳以降)では筋肉量や骨格が発達してくる事で体の感覚が変わる。その事で今までやってきた事ができなくなったり、ケガが多くなりやすい。今までの基礎的な動き、フォームを再確認しながら継続することが重要。